みなさまは、2021年4月に改正した報酬改定に上手にご対応されていますでしょうか?
今回のコラムでは、弊社も実際に運営しており、かつ、開設&設計サポートで関わらせて頂く機会が多い
”障がい者グループホームと就労支援事業”の報酬改定のポイントと対応方法についてお伝えいたします。
今回の報酬改定での大きなポイントは「重度化対応」になります。
特に今回の報酬改定によって、障がい者グループホームに最も影響があった内容は夜間支援等体制加算の見直しです。
これまで、弊社も取得していた夜間支援等体制加算(Ⅰ)は区分に応じた単価設定に変更になりました。例えば、区分4以上の単位は±0%ですが、区分3の単位は-17%、区分2以下の単位は-34%です。弊社においても、区分が低い利用者が多いホームにおいては夜勤加算の収入が10%ほどマイナスになりました。
また、日中サービス支援型の基本報酬も見直しがありました。
区分4~6の単位が微増した一方、区分3の単位は71単位(-約10%)の大幅な減算となりました。つまり、重度の利用者を入居させるよう促しているとも言えますし、事業者としては、経営を維持するためにも、区分4~6の方に入居していただくよう適応していく必要があるのです。
すなわち、包括型=軽度者向け、日中サービス支援型=重度向けの色が濃く出てきた改定であると感じます。
2015年の高齢者介護の報酬改定によって、国の方針改定に適応できず、翌年以降、介護事業者の倒産件数は過去最大を更新する事態となりました。(2020年も118件と過去最高を更新)
今回の障害福祉の改定は、2012年の地域包括ケアの重度対応に向けた体制の整備の辺りに似ているのかなと思います。いま振り返るとですが、2012年の改定内容に適応して、2015年や2018年に向けた準備を整えられていたか否かが介護事業者の生き残りの分かれ道でした。
障害福祉業界においても、今後は基本報酬が上がることはあまり期待できないため、方針に沿った加算を取得することで水準を維持することが重要です。例えば、今回の改訂内容の切り抜け方で言えば、医療連携体制加算(Ⅶ)を取得や1拠点10名定員への集約、日中サービス支援型への申請切替などが挙げられます。
ただ、長期的目線では、介護業界と同様に、現状維持の運営している事業者は明らかに厳しくなるでしょう。あくまで、上記は短期的目線の対策に過ぎず、一刻も早く、将来を見越した対策が必要です。
いきなり全てを取り組むのは無理ですし失敗します。また、1人で考え込んでも難しいと思います。これまで以上に、最先端の情報を得て、先を見越した対応をしていく必要があります。そのためにも、パートナー(相談相手)が大切かと思います。
微力ではありますが、弊社は障害福祉事業を運営しつつ、かつ、設計事務所でもあります。全国でも積極的に多くのつながりを作っており、最新情報が入ってくる体制は整えております。
まずは、1人で考え込まずに、お気軽にご相談頂けると幸いです。